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非違行為=解雇

こんばんは 社外の人事部かどくらです。

従業員が非違行為を行なった際にも、会社から相談を受けることが多いです。
懲戒解雇・出勤停止・諭旨退職 どの処分が適当であるか?
今すぐにでも解雇したいけど問題ありますか?
判断に迷うところもあるとおもいます。
解雇を行なう場合には、懲戒解雇と普通解雇がありますが、
懲戒解雇は、労働基準監督署の認定を受ける必要もあり、普通解雇で処理する場合も結構あります。
(当然 就業規則に普通解雇事由に非違行為を行なった場合等の事由が記載されていることが前提になります)

地裁段階ですが、最近の裁判で非違行為の解雇の有効性を示した判例があります。
タクシー業を中心とした会社に勤務していた乗務員が、夜中に自損事故を起こしたが、
発覚を恐れ、所持した黒色ペンで、車輌に付いた傷を塗り隠して隠蔽した後、営業所に戻った。
そして、この日には、自損事故を起こしたことを報告せず、退社した。しかし、同日の夕方に 自損事故と車輌に傷を付けたこと、
隠蔽したことを報告し、「私の進退については、社長にご一任申し上げます」との 記載のある「始末書・進退伺い書」を提出した。
会社は、その約1ヶ月後、本件乗務員を本件報告懈怠及び本件隠蔽行為を 理由として解雇しました。

裁判所の判断
本件始末書・進退伺いに書の提出によって、労働契約が合意解約されたとはいえない。
本件については、本件始末書・進退伺い書は、「私の進退については、社長にご一任申し上げます」との記載があるが、
この記載を持って、乗務員が会社を退職して雇用契約を終了させようとする意思が明確に示されていると みることができない。
労働契約法第16条は、客観的に合理的な理由を欠き、社会的通念上相当であると認められない解雇は 無効であると規定されています。
この乗務員は、約20日前にも自損事故を起こしてもいるが、乗務員に懲戒処分歴がなく、
勤務態度を指摘されたこともないことから、会社は雇用契約の継続を前提とする懲戒処分を選択する余地もあったというべきである。
このように判断されています。

私達経営者は、非違行為=解雇という公式を適用しようとしますが、解雇権濫用とならないためには、非違行為を行なった社員を
会社に残すことができない程度までに、信頼関係がくずれていること水準であることを 確認する必要があるかもしれません。